2008年9月3日水曜日

調律師の個性 その在り方とは

調律に個性が必要か?

いろいろな考えがあるかとは思いますが、意識して個性を出そうと調整することはご法度だと思っています。


意識しなくても調律師それぞれのその人の持っているものは自然に音に現れます。


意識して自分の音にしようとハンマーに針刺しをしたりし、物理的に修正することが不可能になってしまうことを試みることは、ピアノの寿命を短くし自由に調整することができない憐れなピアノを作りだしていると言えるでしょう。


調律師のすることはピアノを自分流にするのではなく、本来のそのピアノが持っている音を引き出すこと。

個性は演奏者が出すもの。調律師はそのサポートをするものなのです。
特殊な能力があると驕ってはならないと思います。

あくまでも”楽器”が主体であると言うことです。


個性を発揮したいと思うなら他の正統的な芸術やスポーツや文学など、本来表現することが主のものをすること良いでしょう。


まずは楽器を最良の状態にすること、調律師とはそのような存在なのです。