ヤマハピアノの高音部がキンキンする。
このようなピアノにたまにあたります。私が学生のとき、楽器店時代にはほとんどのヤマハピアノがそんな音だったように思います。
好みの問題もありますが、私はなによりもあのキンキンとした高音がだいっ嫌いです。
調律するときもですが、なによりあの音でピアノを弾いていたら疲れます。耳が痛くなってきますし精神的なダメージを受けます。
あのキンキン音、これまでの私の経験では調律のしかたによって解決するものであると言うのがその結論です。
もちろんハンマーに針刺しをすれば劇的に変えることも可能ですが、後々の音の変化を考えれば刺して音を殺すリスクを避けたほうがいいには違いありません。
音がキンキンするピアノの機種や年代はだいたい決まってくるのですが、そのようなピアノはうなりを無くそうとすればするほど、ゼロ点に近づければするほどキンキン音になる傾向にあります。
これは本来そのピアノが持っている音がキンキン音であると言うことを意味します。弦やハンマーの質はもちろんのこと、張力の具合やそれに関わる設計に起因しているのでしょう。
キンキン音をなくすには高音部3本ある弦の音の合わせ具合が重要になってきます。
ひどいものは一度の調律でなくすことが困難ですが、時間をかけることにより音が変化してきます。
耳障りな音からよく鳴る音へと変化します。
ヤマハピアノの高音部は一般的にもともと出づらい傾向にあるので、キンキン音を活かして鳴る音へすべきなのです。
無理に高音部を鳴らそうとした結果なのでしょうが、現場の技術によってよりよくすることが調律師の仕事ではないでしょうか?