2012年5月24日木曜日

ピアノ外装のお手入れについて

ピアノ外装のお手入れについて

ピアノの外装についてはブランドや製造の年代により使われている塗料が異なっています。また艶ありであるのか艶消しであるのかによっても手入れの仕方が異なります。

黒か茶かと言う色の違いは外装のお手入れにとっては問題でありません。中塗りに着色してある色よりも上塗りがどのようなものであるのかが重要です。

まずはお手入れするピアノが艶があるタイプなのか艶消しのタイプなのかをみます。 古いピアノでキズや汚れが多く外装の状態が判断できないような場合は専門家に相談する必要があります。


艶ありの場合は液体の艶出し剤を塗ることにより光沢を得ることができますが、艶消しの場合は基本的には乾拭きとなります。汚れの酷い場合のみ硬くしぼった雑巾等により拭きあげます。中性洗剤を薄めて使用することも可能ですが、なるべく塗装面に刺激を与えないようにします。


塗料の種類ですが、一般的にはポリエステル、もしくはラッカーが使われています。いずれにしても艶有りの場合の塗面は同じ手入れのしかたになります。 汚れが酷ければかたく絞った濡れ雑巾で汚れをとり、中性洗剤を同時に使ってもよく、それでも取れない汚れは極細目のコンパウンドにて研磨します。その際はやわらかいウエスを使用し拭き傷が付かないようにします。 

特にポリエステルの塗装に比べラッカー塗装は塗膜が柔らかいため研磨しすぎは危険です。塗装がはがれて光沢を失うことになります。年数の経たピアノはそのなかでも特に注意しなければなりません。塗膜が痩せて薄くなってきているからです。


 仕上げに液体の艶出し剤をやわらかいウエスで延ばしながら塗ります。この際できるなら2枚ウエスを用意し乾拭きの仕上げ用と分けるとよりスムーズに仕上がりがきれいになります。



ピアノ外装手入れの手順としては、


1.ほこりなどの付着物を取り去る

2.酷い汚れがあれば濡れ雑巾にて拭く 

3.それでも取れない気になる汚れは極細めのコンパウンドにて研磨をする

4.液体の艶出し剤にて拭きあげる


そして普段の保存状態としてはいずれも直射日光は避けて置くと言うことが重要です。特に塗装面の柔らかいラッカーは色落ちやひび割れの原因となります。


またまれに漆塗りやカシュー塗りの塗装面もありますがそれぞれ注意が必要です。こちらの塗装は表面の埃を取り柔らかい布にて乾拭きをする程度にとどめておくほうが無難です。工業系の塗料と違い呼吸をしているためその表面に対してはデリケートな対応が必要です。 

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