調律師は職人の世界。
技術を学び見つけ経験を積むことにより得とくできるものが多い。
そのため自分だけが知っている技術をあまり教えることなく自分だけのものにし価値を高めようとなりがちになる。
しかし個人個人が得られる技術と言うものは限界がある。
それぞれ得意分野があるため得た技術を交換し合うことが重要になる。
習得した技術を自分だけのものにすることは結局は個人の新しい技術の習得を困難にし、業界全体の技術の底上げが困難となり衰退する原因となります。
ライバルから少しでも抜きん出たいがために身に付けた中途半端な技術を武器にけなしあいをするのはなんとも醜いものです。
ほんとうに自信があれば他人を悪く言う必要はありません。
仕事の取り合いの世界だと思っている以上、いつまで経っても先には進めず他人を蹴落とすことに対する研究ばかりになり本来の目的を見失っていきます。
例え担当していたピアノが離れていったとしてもその技術者に魅力があればまた戻ってくることでしょう。
技術者間のモラルと人間性向上が課題になります。
時代が生み出したモラルの欠如が顕著な世代とは別れをつげるべき時代が訪れています。
生きていくには他人を犠牲にしてでも生き残るような環境に置かれた古い人間教育からの脱却のときにきています。
必要なことは業界全体の底上げなのです。
技術を公開したからと言ってどれだけの技術者が実践できるでしょうか?
ピアノの上手な弾きかたを教えたところでピアノが上手に弾けるわけではありません。
実際に繰り返し行い経験を積むことにより形になっていきます。
技術を広く公開して世の中のピアノの状態を全体的に良くしていくことが最も重要なことであると考えます。