ピン板について
ピアノの内部に設置されているピン板は弦を巻きつけてあるチューニングピンが打ち込んでありそれを保持する役目をする板のこと。
チューニングピンには1本に約90㎏ほどの力が常にかかっているためその張力に対してしっかりと保持できる材質が必要。
ピアノのピン板は、一般的には木の中でも非常に堅いカエデやブナなどが用いられ、厚さ数mmの単板を、繊維方向を互いに直角にして3~17枚接着剤により貼り合わせた合板として構成されている。
チューニングピンはピン板に弦の張力を調整するためのが打ち込まれるが、このチュー二ングピンの保持力は、一般的に弦の張力から受けるトルクの2.5~3.5倍に設定されているため弦の張力を十分保持することができる。
調律の際、このピン板にささっているチューニングピンを締めたり緩めたりするのだが、弦の張り具合をピン板から受けるトルクによって感じ調整する。
なお年月が経ったピアノはチューニングピンのトルクが減少してくるものがある。
またピン板がヒビが入り割れる等の現象が見られる。
その場合は弦やチューニングピンを一旦取り除きピン板を修復及び交換する作業が必要になる。
トルクが減少してくるとピンルーズと呼ばれる現象になりチューニングピンが弦の張力に耐えられなくなり音を引き上げ保持することができなくなる。
ピンルーズは頻繁な調律、もしくは環境の悪影響を受けたり、製造や材質等に問題がある場合に起こりうる。
調律をすることが非常に困難な状態になり応急的な処置はできるが本数が多い場合は修理が必要。