2007年9月27日木曜日

タッチの相対感

タッチの重い、軽いはとても難しい問題だ。

何を基準として重い軽いと言っているのか、と言う問題がある。

このタッチの相違は、自分のいつも弾いているピアノとは違うピアノを弾いたときに初めて感じられる。
今まで自分の弾いてきたピアノが標準だと思っていたら実は他と比べて軽かったとか。


特に軽いピアノで弾いてきた場合は重いピアノにあたった時につらい思いをするかもしれない。

ピアノは持ち運びができずそこに備え付けられているものなので自分なりにカスタマイズできない。
それで弾くしかない。

自分の経験ではピアノの先生の家のGPと家のUPがあまりに音が違ったのを覚えている。
先生の家は古いピアノでカバーをかけて蓋を開けてなかったので音がこもって聞こえた。

当然強くひかなければならず重く感じた覚えがある。覚えと言うか子供心にいまだにそういうイメージが残っている。

この場合それぞれ違う弾き方をしなければいい音を出すことができない。


ただ世界的に何が標準の重さなのかと言うのは決められないし決まってもいない。

各ブランドメーカーに鍵盤の重量、調整値は定められているが機種例えばグランドピアノかアップライトか、その中でも大きさにより様々な鍵盤、アクションがあるのでタッチ感は異なってくる。


先ほどの話のように重さは音の状態によっても感じ方が違うのでアクション調整だけでとらえる事はできない。

調律師になり様々なピアノを弾くにつれ、自分にとって弾きやすいピアノまたは弾きづらいピアノにたくさん出会う。
弾きやすいピアノである条件は、もちろん基準値を満たしている事が最低条件ではあるが何故そのピアノなのかはまだ明確な答えはでていない。

また自分にとって弾きやすくても他人にとって気に入るピアノとは限らない。
そこを意識しながら調整する事が重要である。