大野眞嗣先生とお会いすると様々なお話が飛び出すのですが、ベーゼンドルファー の"ウィンナートーン"について、それがどう言うものであるかを語っていただけた。
大切なものを扱うような口調で一語一語丁寧にお話してくださる時はほんとうに大事な事をお話する時。
それはベーゼンドルファー社の技術者に伝わるものであるらしいのですが、お話を聞きながらWienの情景が、まさにそこに自分がいるかのように浮かび上がってきた。
正確に言うと昔見たその世界が臨場感を伴って蘇り思い起こされた。
それがどう言うものであるのか、感覚的にわかる人にはわかるものであると、今まで朧げだったウィンナートーンが自分のなかでハッキリとした瞬間だった。
ピアノの音をただ聴いているだけでは理解できない事、ピアノから離れて理解できる事もある。
そのほうが実は多いのだと思う。