2021年6月30日水曜日

多彩な音色が生み出す新しい音楽

私が主催したコンサートの感想で今までは魅力を感じてこなかった曲が今回の演奏を聴いてその魅力がわかったと言う声を聞けました。


これはとても嬉しい事で自分もそのような経験が多々あるので気持ちわかります。


それは曲の魅力がないのではなく演奏の問題だったり、表現するのが難しい曲だったりするとそのような事が起きると思います。


私は現代ピアノ奏法のロシアピアニズムに出会ってからはそれが顕著で、様々な音色の色彩が聴ける機会に恵まれたことによりこれまで聴いてきた楽曲を改めてその魅力を発見することが増えました。


ピアノを変えることによって変化をもたらすのではなく、奏法によってその表現を豊かにする、これは「ピアノの革命」だと思います。


近年現代の完成されたピアノではやり尽くした感があり音を大きくして飛ばす方向へいっていたのですがそれを別の方向で深めた功績は大きいです。


そのためには調律がひとつのキーとなってきますが、ピアノのブランドを問わずそのピアノが持つ最大限の性能を発揮させてやれば現代ピアノ奏法はそれに応えてくれます。


長くて単調でつまらない曲だなぁと思う曲も命が吹き込まれたかのように生き生きとしだすのは至福の喜びです。


やはり人は変化がなければ飽きてしまうし感動からは遠ざかると思います。例えば喜怒哀楽が表現されてこそそこにあるドラマに心が動く、そう感じます。


近年多くのピアニストが少なからず色彩ある音の表現を大事にしているのを感じるし、それはポピュラーであれジャズであれ同様に音色の変化を感じる演奏は魅力的に感じます。