2013年10月22日火曜日

調律師がピアノ演奏を上達した際に気をつけるべきこと

ピアノ演奏が上手になってくるとピアノの状態が多少悪くてもなんとか弾けてしまう。

これは調律後にピアノを弾いてタッチを確かめる際に気をつけないとならないことのひとつとなります。

それほどピアノの腕前が良くなければ、うまく弾けないことでタッチに問題があることがわかりやすいですが、ピアノ演奏の腕前がある程度あるとそれがわかりづらくなる側面もあると言える。客観的な感覚がなくなるのだ。

調律したピアノを弾く奏者が子どもであったりと必ずしも指の力が強かったり腕前のある演奏者が弾くとは限らないのでそのあたりの配慮が必要になってくる。

もちろんアクションの整調は基準値を取りその範囲内での調整となるのですが、ピアノのブランドや大きさ、機種によって調整は異なるしタッチや弾き心地も千差万別です。

最後は実際に弾いて弾き心地はどうなのか感覚的に探っていくことになるのですが、その感覚が自分の現在のピアノの腕前と比べてどうなのか常に意識を持つことが必要になってきます。

これは毎年調律を行っているピアノで感じることなのですが、去年弾きづらい感覚があった覚えのある同じ楽曲が弾けるようになっていた場合はこのような事例に当てはまります。
ピアノを弾くコツを掴んだだけでありピアノ自体が良くなったわけではない。
そういった意味で弾けなかったときの感覚を覚えておくことが重要。

ピアノが上手く弾けない人や指の力があまりない人にとってピアノの楽器としての弾きやすさタッチは感覚的によく伝わり、ピアノ演奏のうえで大きな影響を及ぼします。