2012年10月26日金曜日

中古ピアノ選びのポイント


中古ピアノ選びのポイントについて

現在日本では新品ピアノよりも中古ピアノのほうが求められる時代となりました。

ちまたには中古ピアノを販売する業者が増えてきましたが、その数の多さにどのようなものを選べば良いのか判断がつきづらい状況でもあります。


ピアノは外観だけでなく普段目にみえない中身がより重要です。


例えば最近流行りの小型木目調ネコ足のアップライトピアノなどは外観こそインテリアとしても鑑賞に耐え得るおしゃれなものですが、中身のほうはと言うと高さのあるピアノと比べ弦長やアクションが短いぶん音色やタッチ感に乏しいと言えます。


なのでそのようなピアノは中のアクションの状態が良くないとしっかりと鳴らないのはもちろんのこと、整調や整音などと言った基本的な調整がしっかりとなされていることがその前提となります。


そのような調整のことは一般的にはわかりづらいものでありますのでわかりやすく重要なポイントとなるところをいくつかあげておきます。


悪い中古ピアノの例として

1.ハンマーの状態、弦の溝が過度についている。


2.ハンマーが削られ過ぎて小さくなっている。


3.鍵盤の横揺れ、ガタが激しい。


4.バットフレンジコードが切れている。


5.弦の錆(サビ)が酷い。


6.連打鍵が著しくできない。



これらのことがある場合は購入してからの修理費用が高額になる可能性が大です。



逆にこういったポイントをパスしていればあとは調整にてなんとかなります。もちろんその場合も調整費等かかってしまいますが。

次の段階として音質、音圧が均一で音のつぶが揃っているか、タッチ感が適度に均質であるかどうかと言うことになってきます。

これらは専門的な分野になってきますので、自分で判断できない場合は信頼できるピアノ講師や調律師にアドバイスをもらうのがよいでしょう。



しかしここで注意しておきたいのが中立的にアドバイスしてもらえるかたを選ぶと言うことです。


楽器店などと深いつながりがあるかたですとどうしても楽器屋の意向に従いがちです。

楽器を売ることにより利益が出てその分け前をもらえたり今後の関係に便宜をはかってもらったりということができるからです。



最も重要なことは楽器を購入するかた、その楽器を弾くかたにとって最適な楽器はなにかと言うことであり、周りの人間の都合で決められるものでは決してないと言うことです。

購入するかたの意見を汲み取り専門家ならではの経験と合わせて中立的にアドバイスをしてもらえるかたに意見を求めるべきです。



そして、中古ピアノ選びにとって最も注意しなくてはならないのは、詐欺的な行為をしている業者に気をつけると言うことです。


悪質な例として、大手ピアノメーカーのピアノを調整や調律をしないまま展示し大量生産であるから品質が悪いとたらしこめ販売店の利益となるピアノを売ると言う手法です。


ここで言う販売店の利益となるピアノとは、例えば中国や韓国と言ったピアノ新興国で作られているようなものです。

これらのピアノをドイツ人による設計だから、一部にドイツ製のパーツを使っているからと言った理由でドイツ製品の楽器としてセールスしているのです。

ピアノのブランド名もいかにもドイツを連想させるようなものであり、外観も木目調の雰囲気ある仕上がりになっていたりします。


誤解なきようここで申し上げておきたいのは中国製、韓国製のピアノが悪いと言っているのではなく、選ぶほうに選択肢がない状態にし誘導すると言う詐欺的な行為が問題だと申し上げているのです。

実際に中国製品韓国製品と言った一昔前はまだ品質的に難があったピアノも現在では使用に問題ないレベルまであがってきています。

経済の発展、外資の進出などピアノ作りの環境が整いつつあるからです。


このような事情によりひと昔前と異なり他のピアノを悪く紹介しなくとも勝負できるのですが、販売店としては安く仕入れて利益が出やすいこれらのピアノを売ることに躍起になりがちです。


このようなことを注意し自分にとって最適なピアノを選ぶことができれば材質のうえで現在新品のピアノとして売られているピアノよりもよいものにめぐりあうことも可能です。

ピアノは新品を購入したら少なくとも3年はその本来の実力が出てきません。   それまでにどれだけ弾きこまれたか、メンテナンスによる調整をどれだけしてきたか、どのような環境に置かれていたか、これにもともとの楽器のもつ性能がプラスされその真価を発揮します。   逆に言えば最初購入時には音色がよく年数が経つごとに劣化していくようであればそれはよい状態ではありません。先にあげたいずれかに原因があると思ってよいでしょう。   アコースティックのピアノは買っておしまいではなく、演奏者と調律師が共に語らいながら見守り音色を造っていくものなのです。     そのような理由から、中古ピアノであってもむしろ中古ピアノで音の落ち着いた自分の感性に合ういい個体であれば新品よりもよい状態にて手に入れることが可能になるでしょう。