2009年1月12日月曜日
響版
アップライト響版
グランドピアノ響版
響版-ピアノの内部に設置されている板。
弦で振動された音が伝わり増幅して外に出すいわばスピーカーのようなピアノの心臓部。
材質は一般的にスプルース(エゾ松種)で作られている。スプルースは変化しにくく、そったり曲がることが少なくそのうえ軽く弾力に富み音の振動が伝わりやすいので響版に用いられる。
そのスプルースの板を何枚も横に貼り合わせてひとつの板にする。その上に特殊なニスを塗り仕上げる。
これを均等に塗らなければ音の伝わりかたに影響を及ぼすため重要な行程。オーバーホールでは古くなりひびが入ったニスを取り塗り直す作業も行われる。
グランドピアノでは天屋根を開けると見ることができ、アップライトピアノでは後ろにまわると確認することができる。
このためグランドピアノでは屋根を開けることによりその能力を発揮することができるが、アップライトピアノでは基本的に後ろからしか外に音が出ないため音量が限られる。
そのためアップライトピアノでも前方の外装、上前板に切れ込みや隙間を作り音を抜けやすくしている機種もある。
また天屋根を開けるための支えを付けている機種も存在する。
年数を経るとそってしまったり、ひびや亀裂が入ることもある。響版事態に亀裂などが入った場合、ビビり音の原因になったり音の伝わりかたに影響が出てそのピアノの力を充分に発揮できなくなる。
修復作業も不可能ではないがもとのパフォーマンスを発揮できるまでには難しいと言える。